2009年7月8日水曜日

中国投資の最新事情その1 ~A株の人民元建てファンド~


<以下は記事の引用>

中国株ファンドの大型設定相次ぐ、大手証券の販売商品が独占


2009年 06月 20日 11:41 JST



[東京 19日 ロイター] 中国株ファンドの大型設定が相次いでいる。今週16日に設定された「インベスコ中国株式ファンド」に続き、きょう設定の「日興フォルティス中国A株ファンド(愛称:万里)」もほぼ満額設定となり、個人投資家のリスク許容度の改善傾向を裏付けた。
 ただ、年初以降に大型設定となった新規ファンドは、いずれも大手証券が販売した商品で「顧客のすそ野が広がっているとは必ずしも言い切れない」(国内投信会社)と指摘する向きもある。
 トムソン・ロイター傘下の投信情報サービス会社であるリッパーによると、国内で販売されている中国株ファンド(国内籍)の資金フローは5月まで7カ月連続で流入超となっており、昨秋以降の世界株安のなかで、早い段階からリバウンド期待の買いが入り始めていたことがわかる。ただ、ここ2、3カ月で株高が加速したこともあり、中国株ファンドへの資金流入額は3月以降は高い水準となっている。
 株価が上昇しているのは他のBRICs諸国も同じだが、香港のみずほセキュリティーズアジアで株式調査部長を務める小原篤次氏は「中国は遠からず国内総生産(GDP)で世界2位になる見通しで、経済規模からみてもBRICsの中から抜け出して行く」と予想する。同氏は「外貨資産に投資したい日本の個人投資家にとって、中国は、BRICsの1つとしてではなく、独立した別の資産として位置づけられつつある」(同氏)と指摘する。
 年初からの株価上昇が急ピッチだったため「高値つかみ」を懸念する声も一部にはあるが、「07年に株価がピークをつけた時に比べれば、まだ割高とは言えず、旺盛な国内消費や投資をけん引役とする経済成長を支えに株価は一段高になる」(ハルビス・キャピタル・マネジメント中国株式運用ダイレクターのリチャード・ウォン氏)と強気な声もあり、中国株ファンドの人気は当面続きそうだ。
 <募集直後に完売>
 インベスコ投信投資顧問が16日に設定した「インベスコ中国株式ファンド」は、設定上限額500億円に対し当初設定額がほぼ満額の約499億円となった。販売した大和証券によると募集最終日を待たずに完売した。フォルティス・アセットマネジメントがきょう設定した「万里」も「6月1日の募集開始日の翌日午後1時には完売」(販売した日興コーディアル証券)し、設定上限550億円に対し当初設定額は約497億円となった。「中国の高い将来性や成長性を評価する投資家に受け入れられたほか、A株だけに投資するという希少性も受けた」(同証券)とみられる。
 個人の投資マインドを支えているのは株価のV字回復。中国政府による4兆元の景気刺激策を受け経済成長に対する期待が高まったことが背景で、人民元建てA株と外貨建てB株の両方をカバーする上海総合株価指数は年初から58%上昇した。ハンセン中国企業株(H株)指数が33%、香港ハンセン指数も25%それぞれ上昇している。リッパー分類別の年初来騰落率ランキングでも「株式型中国株」は1─5月の騰落率がプラス39%で、57分類中で上位6番目につけている。



中国株ファンドについては3月にも大型設定が相次いだ。特に、野村アセットマネジメントが3月27日に設定した「野村新中国株投資」62006983JP(販売:野村証券)は設定当初に577億円超を集め、その時点で今年最大の新規設定ファンドとなった。足元の基準価額は1万1385円となり、残高は1200億円を超えている。同じく3月に大和証券投資信託委託が設定した「ダイワ・チャイナA(エース)」62006975JP(販売:大和証券)も設定上限300億円に対し設定当初に295億円を集めた。
 <A株投資の機会>
 人気化したファンドに共通しているのは中国本土の人民元建てA株を組み入れていること。中国株ファンドは従来、香港市場のH株で運用するものが主流で、A株に投資するファンドについては単位型で解約制限があるものが多かったが、最近設定のファンドは投資対象にA株を含め、追加型で設定や解約が自由にできるタイプが増えており、投資家にとって利便性が向上している。
 また、A株はH株に比べて銘柄数が多く、内需株の比率も高いため、「中国の内需拡大政策による直接的な影響を受けやすい」(ハルビスのウォン氏)。A株は主に国内投資家向けで外国人投資家の取引が制限されているため「グローバル市場の影響を受けにくい資産であることも1つの魅力」(みずほの小原氏)という。 
 大型化したファンドを販売したのが、そろって証券会社なのは、「窓販開始以来、右肩上がりの相場だけを体験していた銀行担当者と異なり、証券会社は過去に何度も相場の上下を経験しておりリスク商品の扱いに慣れている」(地銀関係者)ことが背景で、「証券会社の顧客自身もリバウンド狙いなどの投資に積極的」(大手投信)なことも一因。中国株を扱う中堅証券担当者は「A株投信への投資は見方を変えれば中国の個別株投資に似ている。エッジの効いたA株投信が人気化しているのは、それだけ個人がリスクを取り出した表れ」とみるが、銀行を通じて同様の動きが広がるにはまだ時間がかかりそうだ。
(ロイター日本語ニュース 大林優香記者 岩崎成子記者)




2009年7月6日月曜日

7月3日、香港市場で2銘柄が同時IPO



 シャンプーの大手メーカー(国内シェア7-8%)である覇王国際と石炭商社の中国秦発が同時IPOを果しました。


 香港株式市場の堅調さを背景に、2銘柄ともまずまずの展開を見せています。


 特に、2社の公募倍率(それぞれ466倍と98倍)の高さ及び上場主幹事の値付けから、中国株に対する投資意欲の高さが伺える。 



覇王国際の主幹事による算定株価は1.95~2.38HKDで、予想利益によるPERは15-18.3倍。

 中国秦発の主幹事による算定株価は2.00~2.52HKDで、予想利益によるPERは4.5-5.7倍。


 最終的に、それぞれの主幹事が株価レンジの最高値で、公募価格を決めた格好でした。

2009年7月1日水曜日

2009年上半期、世界のIPO状況



Dealogic社の統計によると、6月25日までに米国市場で13件のIPOがあり、調達金額は23億米ドルだった。香港は12件で、22億米ドル。
 しかし、実質的な活発さで言えば、チャンピオンは香港だった。
 その理由:
① 本日まで世界のIPOトップ10に、香港上場の中国忠旺(01333)、361度(01361)及び中国金属再生資源有限公司(00773)が3席を占める。
② IPOトップ20では、香港が7社で首位、NYSEは6社で二位につけている。
③ 7月3日に香港市場でさらに2社のIPOが予定されている。
シャンプーメーカーの覇王国際(01338)と資源企業の中国秦発(00866)である。
7月10日、13日はさらに1社ずつ中国系企業上場予定である。

 最も、2009年上半期のIPOチャンピオンは「中国企業」であると言ったほうが正しい。
・ 2009年上半期香港市場のIPOの6割が中国企業
・ 2009年上半期米国市場のIPOの中で、ベストパフォーマンス賞をとったのは、4月2日にナスダックに上場したポータルサイト大手SOHUのゲーム事業子会社、Changyou.com Limited(CYOU)である。上場以来約200%の上昇幅を記録した。

 実はことの背景に、昨年9月から中国国内株式市場(A株市場)のIPOのストップがある。
つまり、中国国内で新規発行による調達ができない中国企業はどんどん海外、特に株式市場が好調な香港に殺到したわけだ。「井戸の蓋を閉めることができても、どんどん湧き出る泉を止めることはできない」という格好だろうか。中国新興企業の勢いはとまらないね!

 6月にIPO再開の第一号に予定された三金薬業は、1.3億米ドルの調達を予定している。中国版ナスダックChinext(創業版)の本格的なスタートもいよいよ。

 さあ~、2009年、中国の夏はめちゃくちゃアツくなるぞ!


カーライルが4本目のアジア投資ファンドを




 1年以上続いている金融危機にも関わらず、カーライルは史上最大規模(10.4億米ドル)のアジア投資ファンド、Carlyle Asia Growth Partners Ⅳ, L.P. (CAGP Ⅳ)を組成した。このファンドは主に中国、インド等のアジアの成長国に投資していくもの。カーライルによると、今回は初めて中国本土の投資家から資金募集することに成功した。


今まで、カーライルのアジア投資ファンドレイズの詳細は以下のようだ。
Fund Name     Launched in    Commitment Amount
Carlyle Asia Venture Partners I, L.P. (CAVP I)     2000    $159 million
Carlyle Asia Venture Partners II, L.P. (CAVP II)    2001    $164 million
Carlyle Asia Growth Partners III, L.P. (CAGP III),   2005    $680 million

 今回のGAGPⅣの募集に関して、昨年末までには苦しかったが、2009年になって非常に順調に進んだと、カーライルのMDでGAGPの責任者Wayne Tsouが話した。
「欧米の年金基金等伝統的な機関投資家はより慎重になった。なぜなら、彼らは資金が減って、逆に選択肢が増えたからだ。今回の主な資金源は政府の年金基金と金融機関で、そのうち40%が新しい投資家で、アジア地域の投資家からの出資は特に増えた」と同氏が中国のメディアに述べた。ちなみに、今までの3本のファンドには欧米の資金はすべて50%以上占めていたようだ。
昨年末までの金融市場の不安定が多くのファンドの組み入れ計画を狂わした。しかし、世界経済が落ち着きを取り戻すにつれ、市場参加者も自信を強めている。特に中国などの新興国の景気刺激策を背景に、PEは新たな投資ゴールデンタイムを迎えることになるだろう。

 Wayne Tsouによると、新ファンドは今までの投資戦略と変わりなく、①レバレッジを使わざる、②民営企業以外は投資せざる、③業界に拘らざる、とのこと。投資期間は3-5年の予定。
実に、GAGPⅣの組み入れは3月には既に始まっており、第一号となる投資先は深セン歌力思服装実業有限公司という女性専門のアパレル小売企業だった。金額は2,000万USD。

 最後は、Wayne Tsou氏の言葉で締めくくりたい。
「以前、投資家は新興市場の投資に非常に心配していた。しかし、新興市場Growth CapitalのIRRが知られるにつれ、中国・インド投資に(妙味があることは)もはや秘密でなくなりました」

【参考:カーライルのプレスリリース】
http://www.carlyle.com/Media%20Room/News%20Archive/2009/item10723.html

(図はカーライルが投資した中国オンライン旅行予約サイトCtrip、2003年にNasdaq上場)